WEBコラム

2022.06.10

機関誌『行政&情報システム』2022年6月号刊行

一般社団法人行政情報システム研究所
主任研究員 平野隆朗
研究員 小池千尋

機関誌『行政&情報システム』2022年6月号を、6月10日金曜日に刊行しました。

政府が2017年5月の「デジタル・ガバメント推進方針」において、はじめて「サービスデザイン思考」を打ち出してから約5年が経過しました。その間、政府や自治体では、利用者中心のサービス改革に向けて、デザインアプローチの導入が試みられてきました。その動きは、次第に組織的、体系的なものとなってきており、デジタル庁をはじめとする省庁や自治体では専門機関の設置、戦略や行動計画への落とし込み、実際の施策への反映、研修の実施、ガイドブックの策定など、取組みの幅も広がりつつあります。しかし、いまだそうした取組みに着手している機関は日本全体からみれば少数派であり、事例も限定的な範囲にとどまっています。行政機関におけるデザインアプローチ導入の在り方については、十分な知見が蓄積されていないのが現状です。

そこで本特集では、デジタル庁において現在進められているサービスデザインに関する取組みや、デザインアプローチ先進国であるデンマークの視点から見た政策デザインの持つ意義や可能性を解説します。また、自治体における政策デザインの実践事例や、近年、官民で関心が高まりつつあるデザインシステムの国際動向などを紹介します。これにより現在の行政におけるデザインアプローチ導入の到達点と今後の展望を示すとともに、その実践にあたっての示唆を提供します。(デジタル庁における行政サービスデザインの記事は、★こちら★より無償でお読みいただくことができます。)

トピックスでは、さくらインターネット代表取締役社長の田中邦裕氏による記事「健全な国内クラウドサービス業界の発展における条件」を掲載しております。政府のガバメントクラウド基盤として海外のクラウドサービスが採用される中、国内クラウドサービス業界が抱える課題と目指すべき方向性について解説いただいております。

連載企画では、NTTデータ経営研究所執行役員の三谷慶一郎氏による記事「できなかったことにこそデジタルを使う」を掲載しております。三谷氏の前号記事「申請書ではなく申請をデジタル化する」は、多くの読者の共感をいただき、SNS等でも大きな反響がありました 。今号は、前号のテーマを更に掘り下げ、「私たちは『デジタルは、人間のやっていることを代替し自動化するための道具だ』と決めつけ過ぎていないか」と問題提起していただいております。

今号の記事ラインナップは★こちら★よりご覧いただけます。記事のダウンロード購読も可能です。ぜひご一読ください!

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