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2022.10.14

公共分野デジタル化動向(2022.10.18)

1.公共分野デジタル化動向
[政 府] デジタル庁、「トラストを確保したDX推進サブワーキンググループ 報告書」公表 ほか
[自治体] 東京都、「Tokyo区市町村DX賞」新設 ほか
[海 外] 欧州委員会、報告書「2022年デジタル経済・社会指数(DESI)」発表 ほか

公共分野のデジタル化に関する興味深い情報や、政府・行政機関からのお知らせなど、今ホットな話題を紹介します。

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1.公共分野デジタル化動向

 

【政府】

■政府、2024年度秋に健康保険証を廃止しマイナンバーへ一本化することを発表
政府は、10/13(木)の河野太郎デジタル相記者会見において、2024年度秋に健康保険証を廃止しマイナンバーへ一本化することを発表しました。デジタル社会を新しく作っていくためのマイナンバーカードはいわばパスポートのような役割を果たすとし、そのためのマイナンバーカードの普及及び利用の拡大を主な目的としています。
https://www.digital.go.jp/news/minister-221013-01/

 

■内閣官房(内閣サイバーセキュリティセンター)・総務省・経済産業省、第15回 日・ASEANサイバーセキュリティ政策会議を実施
内閣官房(内閣サイバーセキュリティセンター)・総務省・経済産業省は、10/4(火)、5(水)に第15回 日・ASEANサイバーセキュリティ政策会議を開催しました。同会議ではこの一年間の各国のサイバーセキュリティ政策について意見交換を行ったほか、重要インフラ防護に関する事例の共有、共同意識啓発、能力構築、産学官連携、サイバー演習などの協力活動の確認・評価を行い、今後のさらなる協力活動の在り方についても議論を行いました。
https://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01cyber01_02000001_00145.html

 

■デジタル庁、デジタルの日「good digital award」グランプリほかを発表
デジタル庁は、10/2(日)に「good digital award 2022」のグランプリを発表しました。グランプリを受賞したのは「アクセシブルライブラリー~視覚障害者専用電子書籍音声自動読み上げサービス~」(メディアドゥ)です。また、マイナンバーカード特別賞には宮崎県都城市、ソーシャルインパクト審査員特別賞はAdo氏がそれぞれ受賞しました。
https://digital-days.digital.go.jp/gda/grandprix/

 

■デジタル庁、テクノロジーベースの規制改革推進委員会(第1回)を開催
デジタル庁は、10/3(月)にテクノロジーベースの規制改革推進委員会(第1回)を開催しました。本会は、デジタル臨時行政調査会 作業部会の下、横断的な見直しに活用可能なデジタル技術の精査、安全性や実効性等が確認されたデジタル技術の他の規制への適用可能性等の検討を行うことを目的としています。
https://www.digital.go.jp/councils/b1ae707f-8dfa-4b40-8003-e8eec74f6a02/

 

■デジタル庁、Web3.0研究会(第1回)を開催
デジタル庁は、10/5(水)にWeb3.0研究会(第1回)を開催しました。本会は、「デジタル社会の実現に向けた重点計画」(令和4年6月7日閣議決定)等において「ブロックチェーン技術を基盤とする NFT(非代替性トークン)の利用等のWeb3.0 の推進に向けた環境整備」が盛り込まれたことを踏まえ、所要の検討を行うことを目的としています。
https://www.digital.go.jp/councils/31304f21-d56a-4d15-b63e-3b9ef1b96e38/

 

■デジタル庁・総務省・経済産業省、日英デジタル・グループ会合(第1回)を開催
総務省、デジタル庁及び経済産業省は、英国デジタル・文化・メディア・スポーツ省(Department for Digital, Culture, Media & Sport)とともに、10月6日(木)に、日英デジタル・グループ会合を開催しました。本会合は、令和4年5月4日(水)に日英の関係省庁の合意によって立ち上げられた、デジタル分野における日英共通の優先事項を扱う協力枠組に基づく局長級の会合で、年に一度開催することとされていたものです。本会合ではDFFT、サイバーセキュリティなどについて対話を行いました。
https://www.digital.go.jp/news/d3d630b9-2e7b-4ade-bf84-73d8f3178cb2/

 

■デジタル庁、「地方公共団体情報システム標準化基本方針」を閣議決定
デジタル庁は、10/7(金)に「地方公共団体情報システム標準化基本方針」を閣議決定しました。本基本方針は、地方公共団体の基幹業務システムの統一・標準化を推進するため、基本的な事項を明らかにするものです。
https://www.digital.go.jp/policies/local_governments/

 

■デジタル庁、グッドデザイン・ベスト100受賞
デジタル庁は、10/7(金)に、行政サービスデザインについてグッドデザイン・ベスト100を受賞しました。受賞理由は、日本の行政機関を横断して生活者視点の行政サービスを実現するために、サービス開発へのサービスデザインプロセス適用とサービスデザインチーム立ち上げを実施したこと、また新型コロナワクチン接種証明書アプリ開発において利用体験を大幅に向上させたこと等としています。
https://www.g-mark.org/award/describe/54476

 

■デジタル庁、地方公共団体の基幹業務システムの統一・標準化に関する共通機能等技術要件検討会(第1回)を開催
デジタル庁は、10/12(水)に地方公共団体の基幹業務システムの統一・標準化に関する共通機能等技術要件検討会(第1回)を開催しました。本検討会では、地方公共団体情報システム共通機能標準仕様書及び地方公共団体情報システムデータ要件・連携要件標準仕様について、実装・運用を行う場合に具体化・詳細化が必要な事項を検討することとしています。
https://www.digital.go.jp/councils/dea0e0ed-a5a9-4aa3-9be0-a2b50c647380/

 

■観光庁、観光DX推進のあり方に関する検討会(第1回)を開催
観光庁は、9/16(金)に観光DX推進のあり方に関する検討会(第1回)を開催しました。本会は、近年、様々なデジタルツール・サービスを利用できる環境が整いつつあり、デジタル技術を活用する機運が急速に高まっていることから、観光地におけるDXの推進による課題解決に向けた検討を行うことを目的としています。
https://www.mlit.go.jp/kankocho/news05_000322.html

 

■厚生労働省、「医療DX令和ビジョン2030」厚生労働省推進チーム(第1回)を開催
厚生労働省は、9/22(木)に「医療DX令和ビジョン2030」厚生労働省推進チーム(第1回)を開催しました。本会は、医療DXの実現に向けて、「全国医療情報プラットフォーム」の創設、電子カルテの標準化等、診療報酬改定DXその他関連する施策を推進することを目的としています。第1回は、医療DXの推進に向けた今後の取組について討議されました。
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_28128.html

 

■経済産業省、「デジタルガバナンス・コード2.0」を策定
経済産業省は、9/13(火)に「デジタルガバナンス・コード2.0」を策定しました。これは2020年11月に取りまとめた「デジタルガバナンス・コード」に対し、デジタル人材の育成・確保をはじめとした時勢の変化に対応するために必要な改訂を施したものです。デジタル人材の育成・確保をDX認定の認定基準に追加したこと等を主な改訂のポイントとしています。
https://www.meti.go.jp/press/2022/09/20220913002/20220913002.html

 

■経済産業省・文部科学省、デジタル人材育成推進協議会(第1回)を開催
経済産業省・文部科学省は、9/29(木)にデジタル人材育成推進協議会(第1回)を開催しました。本会は、デジタル人材の育成・確保に向けて、政府、地方公共団体、産業界及び高等教育機関の連携・協力の在り方を議論することを目的としています。第1回はデジタル人材育成の支援強化方策について等が討議されました。
https://www.meti.go.jp/shingikai/mono_info_service/digital_suishin/001.html

 

 

 

 

【自治体】

■東京都、新宿区においてデジタルマップを活用したスタンプラリーを実施
東京都は、Strolyの技術を活用した、新宿区内の観光デジタルマップによる取組を9/8(木)に開始しました。この取組では訪都旅行者にデジタルマップのスタンプラリー機能を活用してもらい、マップ内の周遊に関する検証を行います。実施期間は11/30(水)までとしています。
https://www.metro.tokyo.lg.jp/tosei/hodohappyo/press/2022/09/08/09.html

 

■徳島県、インフラシェアリングを活用したハイブリッドな5GネットワークによるDX推進を実施
徳島県は、インフラシェアリングを活用したハイブリッドな5GネットワークによるDX推進の実施を9/8(木)に発表しました。本取組では、5G共用装置の活用によって、ローカル5G・キャリア5Gを併用したハイブリッドな5Gネットワークの環境を国内で初めてインフラシェアリングにて構築しました。医療分野等をはじめとする徳島県のDXを推進することとしています。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000071.000020999.html

 

■宮崎県、「宮崎県DX推進方針」を策定
宮崎県は、9/21(水)に「宮崎県DX推進方針」を策定しました。同県は2022年7月に、「市民」「地域」「市役所」の各分野で、デジタル技術を最大限活用して、市民一人ひとりが豊かに暮らせるまちづくりに果敢に挑むことを、「宮崎県デジタルチャレンジ宣言」として宣言しています。今回、国が示す「自治体DX推進計画」や「自治体DX推進手順書」を踏まえ、「宮崎県デジタルチャレンジ宣言」を実現するための基本的な取組の方向性や取組内容を示すことを目的とし、「宮崎県DX推進方針」を策定しました。
https://www.city.miyazaki.miyazaki.jp/city/policy/administration/324246.html

 

■境町、ドローンや自動運転バスを活用した新スマート物流の実用化に向けた実証開始を発表
茨城県境町は、10/3(月)に、ドローンや自動運転バスを活用した新スマート物流の実用化に向けた実証開始を発表しました。ドローンや境町で定常運行する自動運転バスを、トラックなどの既存物流と組み合わせて物流を最適化する「新スマート物流」の実用化に向けた実証を開始し、2023年度中をめどに、日本初となる市街地でのレベル4のドローン配送サービスの実装を目指すこととしています。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000079.000032193.html

 

■横浜市、「横浜DX戦略」を公開
神奈川県横浜市は、9/30(金)に「横浜DX戦略」を公開しました。本戦略は、民間人材の活用や多様な主体との連携を通じて、DXの実現に向け取り組むため、「デジタル×デザイン」をキーワードに、“デジタルの恩恵をすべての市民、地域に行きわたらせ、魅力あふれる都市をつくる”ことを基本目的としています。
https://www.city.yokohama.lg.jp/city-info/gyosei-kansa/shigoto/digitalgov/dx-strategy.html

 

■横浜市、消防団の報告事務をデジタル化する取組を発表
神奈川県横浜市は、ソフトバンク株式会社と連携して開発したスマートフォン用アプリの導入により消防団の報告事務をデジタル化する取組を、10/13(木)に発表しました。消防団員の大幅な負担軽減及び活動の充実強化を図ることが目的で、同取組は政令市初となります。アプリは令和4年12月にリリース予定ということです。
https://www.city.yokohama.lg.jp/city-info/koho-kocho/press/shobo/2022/default2022101217180.files/0005_20221013.pdf

 

■加賀市、 「こどもに関する各種データの連携による支援実証事業」を開始
石川県加賀市は、10/11(火)に 「こどもに関する各種データの連携による支援実証事業」を開始しました。本取組では、本人の同意に基づくデータ連携により、本来支援が必要、もしくは必要になる可能性のあるこどもに対して家庭環境や心理状態を確認し、また問題の有無にかかわらずこどもに地域の情報をお知らせするなど、困ったときにこどもが相談しやすい社会とのつながり(ソーシャル・キャピタル)を作ることをめざすこととしています。
https://www.nttdata-strategy.com/newsrelease/221011.html

 

■福岡市、犯罪予測を用いたパトロール最適化支援サービスの実証実験を実施
福岡県福岡市は、9/12(月)に犯罪予測を用いたパトロール最適化支援サービスの実証実験を開始しました。本サービスは、犯罪予測結果を元に犯罪減少を意図した警備・パトロール業務の最適化支援アプリを活用し、リアルタイムな犯罪予測に基づく効果的・効率的な警備・パトロール経路の自動策定・リスク可視化・警備状況のリアルタイム管理を行うものです。本取組は、地域におけるパトロール活動の促進による安全で住みよいまちづくりの実現を目指して、市民サービスを向上することを目的としています。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000028.000080699.html

 

 

 

 

【海外】

■国連、「国連電子政府調査2022」を公表
国連は、9/28(木)に「国連電子政府調査2022」を公表しました。本調査は国連のDESA(経済社会局)が、各国のデジタル化進捗状況をまとめたものです。本年はデンマークが首位、e-participation部門ではアイデアボックス活用等の要因により日本が首位となりました。
https://publicadministration.un.org/en/Research/UN-e-Government-Surveys

 

■欧州委員会、サイバーレジリエンス法案を公表
欧州委員会は、9/15(木)にサイバーレジリエンス法案を公表しました。本法は、デジタル製品に関するサイバーセキュリティ要件を規定し、EU域内市場の適切な機能を確保するものです。製造者のコンプライアンス促進、デジタル製品のセキュリティに関する透明性向上等、4つの目標が設定されています。
https://digital-strategy.ec.europa.eu/en/library/cyber-resilience-act

 

■欧州委員会、「欧州イノベーション・スコアボード」の2022年版を発表
欧州委員会は、9/22(木)に「欧州イノベーション・スコアボード」の2022年版を発表しました。これは、EUの加盟国と周辺国における人的資源等のイノベーションに関する各種指標を明示化し、各国の強みを比較分析したものです。EUのイノベーション・パフォーマンスが2015年以降約10%伸びていること等が報告されています。
https://research-and-innovation.ec.europa.eu/statistics/performance-indicators/european-innovation-scoreboard_en

 

■欧州委員会、製造物責任指令・AI開発事業者責任指令を採択
欧州委員会は、9/28(木)に、製造物責任指令・AI開発事業者責任指令を採択しました。製造物責任指令は、AIを使った製品に欠陥がありユーザに損害を与えた場合に、被害者が公正な補償を受けられるようにするためのものです。またAI開発責任指令は、同様の場合に、被害者が取る法的手続きを簡素化することを目的としています。
https://ec.europa.eu/commission/presscorner/detail/en/ip_22_5807

 

■英国PDS、「議会におけるデジタル戦略2022-2025」を公表
英国PDS(議会デジタルサービス)は、10/4(火)に、「議会におけるデジタル戦略2022-2025」を公表しました。本戦略では2025年までに達成すべき優先事項として、「デジタルの進歩に対応し、また議会の機能と現代的な働き方を支援することで、議員と職員がデジタルを最大限に活用できるようエンゲージメントとエンパワーメントを図ること」等が挙げられています。
https://www.parliament.uk/globalassets/mps-lords--offices/offices/parliamentary-digital-service/uk-parliament-digital-strategy-2022-2025-external-publication.pdf

 

■米国NIST、 「2021年度サイバーセキュリティおよびプライバシーに関する年次報告書」を公表
米国NIST(国立標準技術研究所)は、9/26(月)に 「2021年度サイバーセキュリティおよびプライバシーに関する年次報告書」を公表しました。これは、暗号の標準と検証、サイバーセキュリティの測定、教育と人材等8つの主要分野について、NISTが本年度に行った研究活動の概要や成果物、実績を解説したものです。
https://nvlpubs.nist.gov/nistpubs/SpecialPublications/NIST.SP.800-220.pdf

 

■米国DHS、サイバーセキュリティ意識向上月間を開始
米国DHS(国土安全保障省)は、10/1(金)にサイバーセキュリティ意識向上月間を開始しました。これにちなみ同省は、CISA(サイバーセキュリティ・社会基盤安全保障庁)、TSA(運輸保安庁)、沿岸警備隊等の構成機関が、国家のサイバーセキュリティを強化するために取り組んでいる内容を紹介しています。
https://www.dhs.gov/news/2022/10/03/department-homeland-security-kicks-cybersecurity-awareness-month

 

■米OSTP、「AI権利章典のための青写真」を公表
米OSTP(科学技術政策局)は、10/4(火)に「AI権利章典のための青写真」を公表しました。これはAIの活用が広まる中、米国民の市民権保護を目的として策定されました。AIやその他自動化システムの開発において考慮すべき保護策として、「アルゴリズムによる差別の保護」「データプライバシー」等5つの原則が提示されています。
https://www.whitehouse.gov/ostp/news-updates/2022/10/04/blueprint-for-an-ai-bill-of-rightsa-vision-for-protecting-our-civil-rights-in-the-algorithmic-age/

 

 

 

 

 

(編集) 行政情報システム研究所 研究員 小池千尋

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