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2013.07.01

電子政府の社会的効果を試算(三菱総合研究所)

要 旨

  • 2013年6月14日、「世界最先端IT国家創造宣言」が閣議決定されました。この新しいIT戦略は、アベノミクスの三本の矢(財政政策、金融政策、成長戦略)のひとつである成長戦略を支える重要な柱であり、「情報」をヒト、モノ、カネと並ぶ貴重な経営資源と位置づけ、(1) 革新的な新産業・新サービスの創出と全産業の成長を促す社会、(2) 健康で安心して快適に生活できる、世界一安全で災害に強い社会、(3) 公共サービスがワンストップで誰でもどこでもいつでも受けられる社会の実現を目指すとしています。
  • 2001年のe-Japan戦略以降、電子政府(電子自治体を含む。以下同じ)施策は、常にIT戦略の柱のひとつに位置づけられてきました。しかし、毎年かなりの情報システム経費を投じているにも関わらず、投資管理や成果の評価が不十分であるといった問題点も指摘されており、今回のIT戦略でも、政府CIOを司令塔とした目標・進捗管理のための評価指標の設定と、PDCAサイクルを的確に回していくことが明記されています。
  • 本資料は、これまでの電子政府の取り組みの中心である「業務・システム改革による業務処理時間及び情報システム経費の削減」と「行政手続きのオンライン化による国民の利便性向上」を対象に、効果の算出を試みたものです。その結果、これまで既に発現していると想定される効果が約6,600億円/年、今後、新しいIT戦略の施策が順調に進むと約1兆1,500億円/年、これらを合わせると約1兆8,100億円/年の効果が見込まれました。
  • また、これからの電子政府には、上記の効果だけでなく、保有データ等を有効に活用してきめ細かい行政サービスを提供したり、ITを活用して施策の効果を最大化するなど、情報プラットフォームとしての役割が期待されます。今回のレポートでは、データ等を活用した効果の例を掲載しました。本資料が、今後の電子政府施策を推進する上での参考となれば幸いです。

 

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