我が国の行政機関を取り巻く環境は、デジタル技術の進展、経済のグローバル化、社会課題の複雑化・多様化等に伴って大きく変化しつつあります。こうした環境の変化に的確に対応しつつ、デジタル国家創造宣言・官民データ活用推進基本計画(以下「IT戦略」)に定める利用者中心の行政サービスの見直しを推進するためには、予め情報システムの仕様を詳細に定義した上で開発を進めるウォーターフォール型のみでなく、短サイクルで、利用者のフィードバックを得ながら柔軟にサービスを作り込むアジャイル型のアプローチを活用することも重要となってきます。
我が国政府でもアジャイル型開発の重要性はかねて認識されており、2017年のIT戦略において、アジャイル型で環境の変化に対応できるようにすることの重要が指摘されているほか、「デジタル・ガバメント推進標準ガイドライン」においても、一定の場合にアジャイル型の導入を考慮することとされています。しかしながら、その具体的な実践方法については、同ガイドライン及び同解説書では大まかな方向性が示されるにとどまっています。
今後、アジャイル型開発が広く活用されるためには、行政機関特有の制約条件を踏まえた、実践的なアジャイル型開発のハウツーやノウハウが整理されていることが重要になると考えられます。
本調査研究は、こうした問題意識に立ち、行政機関のサービス開発に携わる組織や職員が、アジャイル型開発を実践するに当たり役立つ知見及び中長期的に講ずべき施策を抽出・整理することを目的として実施したものです。
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