1.はじめに
広島県では、2020年10月に策定した県の総合戦略である「安心▷誇り▷挑戦 ひろしまビジョン」において、「県民一人一人が『安心』の土台と『誇り』の高まりにより、夢や希望に『挑戦』できる社会」の実現を目指している。その実現に向けた施策横断的な視点の1つとして、「先駆的に推進するDX(デジタル・トランスフォーメーション)」を位置付けており、様々な分野でDXの推進に取り組んでいる。
具体的には、2019年7月に「広島県DX推進本部」を設置し、たちまち(とりあえず)始めてみるという考えのもと、実践意欲の向上に向けた機運醸成や、「仕事・暮らしDX」、「地域社会DX」、「行政DX」を柱とした、各分野におけるDX関連施策を実施している。
このような中、土木建築局においては、建設分野における調査、設計、施工から維持管理のあらゆる段階において、デジタル技術を最大限に活用し、官民が連携してインフラを効果的・効率的にマネジメントしていくため、目指す姿や具体な取組案をまとめた「広島デジフラ構想」1を2021年3月に策定し、現在47の取組を進めている。
本稿では、広島デジフラ構想に掲げる取組の1つである、「インフラマネジメント基盤(DoboX:ドボックス)」の取組について紹介する。(「DoboX」はインフラマネジメント基盤の呼称。「土木」と「DX」を掛け合わせた造語。)
1 広島デジフラ構想
https://www.pref.hiroshima.lg.jp/soshiki/95/hiroshimadejihura.html