地域課題の解決に向けての新たな鍵として注目を集めるデジタルプラットフォーム。だが、その開発や活用は決して容易ではなく、多くの利用者が集まって軌道に乗った成功例はまだ多くない。
そうした中、数少ない例外といえるのが、課題を抱える地域と地域に興味のある生活者とをさまざまな形で結びつけるサービス「SMOUT」だ。2018年にスタートして2022年末時点で登録ユーザー数が4万6,000を超え、850以上の市町村が8,000件を超えるプロジェクトを展開している。
このプラットフォームがなぜ成長を続けるのか。その目指すところはどこなのか──。「面白法人」を企業理念に掲げる株式会社カヤックでSMOUTなどを手掛ける、ちいき資本主義事業部の事業部長・中島みき氏に聞く。
1.“人で困っている自治体”の8割近くが利用
- 「SMOUT」は、“地方と都市とを人で結びつける”ためのデジタルプラットフォームとして成長していて、移住促進から関係人口の増加、地域のPRまで、さまざまな成果を目指せる多様なメニューが揃っています。「SMOUT」の具体的な取り組みをご紹介ください。
中島:サービスを開始したのが2018年、現在では登録していただいている全体のユーザー数が46,287人(2022年12月末時点)で、1か月あたり800~1,000人のペースで増えています。ユーザーの約半数は、都市部などにお住まいで、地域に興味や関心を持って移住や協力、イベントへの参加などについて情報を集めようとしている方になります。