1.はじめに
私達の生活において、人工知能(Artificial Intelligence:AI)が使われることが多くなってきており、企業活動においても、AIを使ってモノを生産したり、サービスを提供したりすることが増えてきている。AIの利活用により、個人、地域社会、国、国際社会が抱える様々な課題を解決し、人々や社会に多大な便益がもたらされることが期待されている。他方で、AIの判断のブラックボックス化などのリスクやAIに対する不安などが、AIの開発や利活用の阻害要因となるのではないかという懸念がある。
AIの便益を人々や社会が享受するためには、AIに対する不安を取り除き、信頼を醸成する取組を進めることが重要である。AIの開発者や利用者が、それぞれAIの開発や利活用において、AIの便益を増進させリスクを抑制する取組を行うとともに、政府や業界団体等を含めた関係するステークホルダが、AIの開発や利活用の促進に向けた環境整備のための取組を行うことにより、AIに対する社会的な受容性が高まるものと考えられる。