1．はじめに
近年、行政機関では、DX（デジタルトランスフォーメーション）の推進にローコード・ノーコード開発（以下、「ローコード開発」）を活用しようとする動きが広がりつつあります。一方で、まだその実践にあたっての方法論は十分に共有されておらず、先行して導入を推進している現場からの知見の共有が重要となりつつあります。
そこで一般社団法人行政情報システム研究所は一般社団法人ガバナンスアーキテクト機構との共催により、ローコード開発の行政における活用にあたっての課題や可能性について考えることを目的としたオンラインイベント「行政におけるローコード・ノーコード開発の課題と可能性」を開催しました。この中では、行政機関及びローコード開発ツールのサプライヤから3名ずつ登壇者を招き、パネルディスカッションを行いました。行政機関からは、現在ローコード開発の全庁導入を担い現場で活躍している、規模の異なる2自治体及び中央省庁の職員の方を招きました。また、サプライヤからは、行政へのローコード開発の導入と定着に向けた取組をリードしている3社の方を招きました。
ここで交わされたディスカッションの内容には、行政機関及びサプライヤの担当者が現場で試行錯誤の末に導き出した知見が多く含まれており、他機関がローコード開発を導入する上でも大いに参考になるものと考えます。
そこで、本稿ではパネルディスカッションのエッセンスを紹介します。
