機関誌記事(記事単位)

2022.12.10

2022年12月号 特集 なぜ情報システムはUDでなければならないか

株式会社ユーディット会長兼シニアフェロー
同志社大学・放送大学・美作大学客員教授
関根 千佳

1.もし明日あなたが障害を持ったら

 もし明日あなたが、目が見えなくなったら、耳が聞こえなくなったら、車いすになったら、どうやって仕事を続けますか?周りの方と話してください」
 行政や企業のセミナーでこれを問いかけると、ほとんどの参加者が、一瞬固まる。で、次第に蜂の巣をつついたような騒ぎになる。
 「絶対ムリ!そもそも家から出られない」「通勤ルート、バリアフリーじゃないよね・・」「電車の遅延とか、聞こえなかったらどうすればわかるの?」「遅刻しそうって、見えなくてもLINEで送れるかな?」「紙ばかりの職場だから、見えなくなったらまず仕事できない!」「社食の券売機、車いすで手が届く?見えなくても使える?」「お客様とどうやって対話するの?」「部門の歓送迎会とか、参加できるかなあ・・」
 大半の人が、ダメだ、続けられない!辞めるしかない!という雰囲気になる。ということは、あなたのキャリアは、組織は、まったく持続可能でないということだ。

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