1.はじめに
中国の経済体制は、建国後の社会主義計画経済から改革開放を経て、社会主義市場経済へとその姿を大きく変えてきた。しかし、中長期的目標・計画を策定し、中国共産党の強いリーダーシップの下でその達成を目指す、というスタイルは一貫して変わらない。
100周年を迎えた中国共産党は2021年、「第1の百年」の奮闘目標である「小康(ややゆとりのある)社会の全面的完成」を正式に宣言し、「第2の100年の奮闘目標の達成に向けた最初の5年」と位置付ける『国民経済・社会発展の第14次五カ年計画および2035年までの長期目標』(以下『第14次五カ年計画』と略称)を発表した。目指すのは「高質量発展(質の高い発展)」。これまでの「規模」を追い求める発展を改め、イノベーションを根本的な原動力とした、質の高い発展を目指す。