1.はじめに
デジタル臨時行政調査会(「デジタル臨調」)は本年6月、「デジタル原則に照らした規制の一括見直しプラン」(「見直しプラン」)をとりまとめ、公表した。見直しプランは、令和3年12月に策定された5原則からなる「構造改革のためのデジタル原則」に沿って、デジタル改革、行政改革、規制改革を効率的かつ計画的に進めるため、今後3年間の集中改革期間に取り組むべき事項につき、その取組み方針を定めている。具体的には、①アナログ規制の見直しと規制の見直しの方法論を定め、デジタル技術を活用した効率的でイノベーティブな規制体系を全分野に展開するために3段階のフェーズ・アプローチを採用すること、②霞が関の取組みを、市民生活へのインターフェースを多く持っている地方自治体に波及させるための方法論として、共創アプローチを採用すること、③将来における法令等の立案過程を見据えて、立案者が自らデジタル原則への適合性を確認できるようにするためのプロセスを設計するとともに、そのためのカギとして法令自体のデジタル化への取組みと必要なツールの開発を実施すること、④デジタル化のプロセスを支えるヒトと組織の文化改革に取り組むこと、以上の4項目につき言及している。