1.2022年度末までに「ほぼすべての国民」へ
2年前、新型コロナウィルスの感染が広がり始め最初の緊急事態宣言が出された中で行われた特別定額給付金の手続では、マイナンバーカードとマイナポータルを利用した申請が採用された。しかし、申請を受け付けた各自治体では、データをデジタルのまま処理する体制が整っていなかったり、誤記入のある申請も受け付けたことにより人海戦術で申請内容を確認しなければならなかったりするなどの支障が出た。また、そもそもマイナンバーカードの普及率が低く、オンラインで申請できる人が少ないことも問題となった。
オンライン手続があまりうまくいかず「デジタル敗戦」とも呼ばれたこの経験の反省を踏まえ、また今後の超高齢社会に備えるためには、申請書類を郵送したり提出のために役所へ出向いたりする手間を削減し、誰もがいつでもどこでもオンラインで簡単に行政手続を行えるようにしていく必要がある。こうした行政手続のオンライン化のカギを握るのが、マイナンバーカードである。