1.はじめに
韓国の電子政府は国際的に高い評価を受けている。まず国連が2年に1度実施している「国連電子政府調査」の電子政府指標では、2020年には韓国は193国中デンマークに次いで2位であり、14位である日本を大きく引き離している。そしてOECDが2019年に公表した「デジタル・ガバメント指標」の総合評価では1位となっている。
行政安全部が発刊した「電子政府50年」によれば、韓国における電子政府の第一歩は1967年に経済企画院調査統計局に人口センサスにかかる業務処理のためIBM製のコンピュータを導入したことである。それから55年経ち韓国は最も電子政府が進んだ国のひとつとなったが、1998年以前は国際的に目立った存在ではなかった。しかし、1998年に発足した金大中政権の取り組みをきっかけに電子政府が急速に進んだ。