1.はじめに
(1)800人の小さな村「山古志」
新潟県の中山間地域にある小さな村「山古志」は、約千年の歴史をもつ地域です。平成の市町村合併を経て、現在は長岡市の一地域となりました。冬季は積雪量が3m以上にもなる世界有数の豪雪地帯であり、平らなところがほぼない起伏の激しい地形、厳しい自然環境と共生してきた地域です。また、世界中に愛好家が増えている「錦鯉」発祥の地でもあります。
2004年10月23日、この地を中越大震災が襲いました。山々や、ありとあらゆる幹線道路は崩れ、全村避難を余儀なくされました。壊滅的な被害を目の当たりにし、再びこの地に帰ってくることはできるのだろうかと、誰しもが不安を抱えていました。しかし、山古志は、「帰ろう山古志へ」というスローガンを掲げ、約3年半という月日をかけて再びこの地に戻ってきたのです。このタイミングで、震災復興のために立ち上がった組織が、私たち「山古志住民会議」です。山古志住民会議は、住民自らが地域のより良い将来像を考え、その実現に向けて行動するために発足した地域づくり団体です。