1 脱炭素とエネルギー戦略2050
昨年10月26日、臨時国会の所信表明演説において、菅前首相は2050年までに国内温室効果ガスの排出を実質ゼロとするカーボンニュートラルを目指すことを宣言した。それは、菅政権における大きな功績の一つであった。既にデンマークは2011年、2050年までに化石燃料からの完全な脱却を目指す「エネルギー戦略2050」を公表している。現在デンマークにおけるエネルギー需要の30%以上は洋上風力など再生可能エネルギーによるものである。2030年にはその比率が55%になると予想されており、2050年には予定通り国家として脱化石燃料を達成出来るとしている。