1.コロナ禍におけるDXの加速
コロナ禍が我々の日常生活を一変させてから早くも1年半が経過しつつある。ワクチン投与開始のおかげで回復の見込みは出てきているものの企業活動や社会活動の停滞は今しばらく続くだろう。
幸いなことに、デジタル技術は私たちの手の中にある。昨年来のステイ・ホーム環境の中、非対面・非接触で社会活動を継続するために、テレワーク、オンライン診療、オンライン教育等、様々な形でデジタル技術は活発に使われ始めている。厳しい経営環境にも関わらず、2割程度の企業は、自社のIT投資について「今こそ増加させたい」と考えているという調査結果もある。
これまであまり活性化していなかったDX(デジタルトランスフォーメーション)が、コロナ禍において結果的に加速し始めているのは間違いなさそうだ。
2.顕在化したデジタル化に関する課題
その社会が潜在的に持っていた課題が、災害時において顕在化することはよくある現象のようだ。まさしく今回の厄災においても、私たちの社会が、デジタル技術のポテンシャルを十分に活かしきれない環境にあるということが露見してしまった。