1.デジタル庁とサービスデザイン
いよいよ日本でもデジタル庁が2021年9月に設置されることになった。
本原稿の執筆段階(2021年2月)では、第一次のメンバーが公募されているが、この職務要件のなかでもサービスデザインはだいぶ意識されている。DXの推進のための手段としてのサービスデザインの社会認知が向上したことは歓迎したい。
これから具体的に行政サービスの開発が着手されていくことになるが、ここに参考にすべきよい視点がある。それは、本連載第3回でも「サービスデザイン継続のための提言」を紹介した、元GDSデザインディレクターのルー・ダウン氏が著書『GoodService』でまとめている「15のよいサービスの原則」である。今回はこの「よいサービスの原則」を紹介しながら、サービスデザインを提供する側の態度について考えてみたい。