1.はじめに
総務省行政管理局では、「e-Gov」の更改に向けて、2018年から約2年の歳月をかけて、サービスデザインの実践に取り組んできたところである。
2020年11月24日(火)にe-Govは更改を迎えたところ、サービスデザイン実践のプロセスが、更改後のe-Govとしてどのように結実したかについて、本稿では解説したい。
さらには、昨今の急速な行政手続デジタル化の流れも踏まえ、今後e-Govがどのような役割を担っていく予定かについても御紹介したい。
2.e-Govの概要
e-Govは、「行政改革大綱」(※1)に基づき、各省庁の情報の一元的提供を可能とする、全省庁のホームページについての総合窓口システムとして整備され、2001年度から運用を開始し、さらにその後「行政ポータルサイトの整備方針」(※2)を踏まえ、国の行政ポータルサイトとして、国民等の利用者に対して、組織横断的な行政情報提供サービスを広く提供する役割を担ってきた。また、「電子政府構築計画」(※3)において、2005年度末までに申請・届出等手続の案内情報入手から実際の手続までを一元的に行うことができる総合的なワンストップサービスを整備することとされたことを受け、e-Govに電子申請を一元的に受け付けることが可能な電子申請システムを整備し、運用を行っている(図表1)。
(※1)平成12年12月1日閣議決定
(※2)平成16年3月31日各府省情報化統括責任者(CIO)連絡会議決定
(※3)平成15年7月17日各府省情報化統括責任者(CIO)連絡会議決定
図表1 e-Govの概要
(出典)筆者作成