テレワークの導入と定着
―はじめに―
昨今、官民を問わずテレワークがワークスタイルとして急速に拡大・定着しています。
総務省では、国の行政機関として先陣を切る形で平成17年からテレワークを導入し、現在は、2020年度までを視野に入れた「総務省テレワーク推進計画」(平成27年6月5日 総務大臣決定)(※)に基づいて省内のテレワークの促進・利便性の向上に取り組んでいます。また、新型コロナウイルスの影響を受けて、出勤抑制に取り組み、現在も5割の出勤抑制を目指しています。
本稿では、総務省におけるテレワークの導入・拡大の経緯、今般のコロナの影響による出勤抑制の状況、そこから見えてきた課題についてご紹介します。
(※)「国家公務員テレワーク・ロードマップ」(平成27年1月21日:各府省情報化統括責任者(CIO)連絡会議決定)において、2020年度までを視野に入れた各府省等におけるテレワーク推進計画を策定することとされたことを受けて策定
―テレワークの導入と対象職員の範囲拡大―
テレワークについては、「e-Japan戦略Ⅱ」(平成15年7月IT戦略本部決定)において、政府目標(※)が定められる中、認知・理解不足等から導入企業は一部にとどまるなど、十分に普及しない状況が続きました。そこで、総務省では、テレワークの一層の普及促進を図るため、平成17年1月、テレワークの導入に向けた取組として、職員を対象にテレワークの試行をいち早く始めました。当初は本省内の1局のみで行っていた試行ですが、同年10月からは、官房2課も加わり、少しずつ対象を拡大しながら試行を継続しました。そして、平成18年10月から、育児、介護に携わる職員に限定した上で、テレワークの本格実施が始まり、平成19年5月からは、本省勤務の課長補佐以下であれば、育児、介護に携わる職員でなくてもテレワークが可能となりました。平成26年8月には、対象者を「管理職・地方局を含む全ての職員(非常勤職員及び新規採用職員は除く。)に拡大し、ほぼ全ての職員について、テレワークが可能となりました。その後、平成30年11月、職員個人の事情に応じた多様な形で勤務することを一層可能とする観点から、それまで対象外となっていた非常勤職員と新規採用職員が対象に追加され、現在、本省・地方、常勤・非常勤を問わず、原則全ての職員について、テレワークの実施が可能となっています。
(※)同決定の中では、「2010年までに適正な就業環境の下でのテレワーカーが就業者人口の2割となることを目指す」とされた。