テレワーク実施と阻害要因
2020年1月以降、新型コロナウイルス感染症対策として、テレワーク(在宅勤務)の導入が進んでいる。2020年3月に実施された国土交通省のテレワーク人口実態調査によると、テレワークを行うよう指示を受けた人は18.5%、推奨された人が48.5%と、あわせて67.0%もの人がテレワークの指示・推奨を受けている(※1)。調査の実施が4月の緊急事態宣言前だったことを考えると、緊急事態宣言後にはより多くの人がテレワークを実施することになったものと考えられる。
しかし、2020年4月に発表されたfreee株式会社の調査によると、テレワークを実施している企業であっても出社を余儀なくされている企業は77%にのぼっており、その理由として下記のようなものが挙げられている(※2)。
・ 取引先から送られてくる書類の確認・整理作業(38.3%)
・ 請求書など取引先関係の書類の郵送業務(22.5%)
・契約書の押印業務(22.2%)
また、一般社団法人日本CFO協会の調査によれば、テレワークを実施していない企業の中では、請求書や証憑などの紙の書類がデジタル化できていないことを理由として挙げる企業が77%にものぼっている(※3)。
これらの調査結果から浮かび上がるのは、紙と押印による業務(決裁手続きや請求、契約など)がテレワークの大きな阻害要因となっている実態である。
(※1)令和2年3月 国土交通省都市局都市政策課都市環境政策室平成31年度(令和元年度)テレワーク人口実態調査-調査結果の概要-
(https://www.mlit.go.jp/report/press/content/001338554.pdf)
(※2)2020年4月 freee株式会社による調査発表
(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000352.000006428.html)
(※3)2020年4月 一般社団法人日本CFO協会による調査発表
(https://www.cfo.jp/wordpress/wp-content/uploads/2020/04/release_200406.pdf)