“Software is eating the world”(Marc Lowell Andreessen氏)とは不可逆な情勢をうまく比喩したもので、日本政府においてもクラウドバイデフォルトを掲げ、各府省で計画的にクラウドサービスの評価や試行・導入が進められている。しかしながら注目されているのは、基盤のリフト&シフトが中心であり、①部局を横断したエンタープライズ・アーキテクチャの抜本的見直し、②コンテナやサービスメッシュで実現される新しい業務のあり方、③運用管理・監査の高度化 等の観点からクラウド本来の導入目的や効果について議論されていないケースが散見される。そこでもう一段、クラウドを利活用した“デジタルトランスフォーメーションがもたらす効果”を享受するための一助となることを願い、筆者の併任先金融機関における規制当局のガイドラインに準拠した導入事例に基づき、一定の効果が得られたノウハウをご紹介させて頂く。