前回、スマートシティの事例を通じて、デンマークの課題認識や概念設計について説明した。今回は社会課題を解決するために導入された具体的なプロジェクトを紹介する。デンマークのプロジェクトにおいて特徴的であり、今後日本におけるソリューションの実装フェーズで参考になることは、①社会課題を明確にし、同時に複数の価値を創出する仕組み作り、②異なる利害関係者との共創と包括的(ホリスティック)なアプローチ、③市民の積極的かつダイナミックな参画、④方法論としてのデザインの戦略的利用がある。以下、コペンハーゲンのプロジェクトを通じて、これらがどのように展開されたのかについて解説してみたい。