日本でも世界でもテクノロジーの進化により、あらゆる業界にデジタル・トランスフォーメーションの波が押し寄せているが、日本を代表する製造業である自動車業界でも「100年に一度の大変革期」といわれる状況が起きている。そのキーワードとして取り上げられるのは「CASE」と呼ばれる4大トレンドだ。C:Connected(コネクテッド)はネットワーク接続による外部とのつながりとそれに伴う飛躍的な価値向上を、AはAutonomous(自動運転)、SはSharing(シェアリング)による自動車の所有からモビリティ機能の利用へという変化。そして、EはEV、つまり電動化という方向を指し示すもの。いずれも大きく、一気に押し寄せる波であるが、自動車部品のメガサプライヤーであるデンソーにとって重要な分野のひとつがCの「コネクテッド」だという。このイノベーション創出を支える、車の外「アウトカー」のIT技術チームの立ち上げをミッションとして、2016年8月、同社に入社したのが、IT業界のキーパーソンである成迫剛志氏であった。ゼロからの組織構築における経緯やその推進の仕方について聞く。