1.はじめに
行政機関の使いにくいシステムを何とかしたい。そんな想いを持った行政職員から、アジャイル開発というシステム開発手法が注目を集めている。従来の行政機関のシステム開発では最初に仕様を確定
し、残りの期間で実装をおこなうウォーターフォール型開発が主流であった。それに対してアジャイル開発は短い単位で実装とテストを繰り返しながら改善していく手法で、民間企業での採用も増えている。私たち一般社団法人コード・フォー・ジャパン(以下、Code for Japan)は、2018年度に中小企業庁とともにアジャイルによるウェブアプリの開発に挑戦した。本稿では、行政機関としてはほとんど前例のないアジャイル開発について紹介するとともに、ア
ジャイル開発の可能性について論じる。