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2019.08.09

2019年08月号特集 金融庁におけるRPAの導入経緯と今後の課題

金融庁 総合政策局 リスク分析総括課
情報・分析室長 中井 大輔

金融庁では、平成30年度から他省庁に先駆けて、RPARobotic Process Automation)の本格的な導入を開始しました。当庁のRPAの取組みは、内閣人事局が実施する平成30年度ワークライフバランス職場表彰で内閣人事局長表彰を受けました。

この表彰の後、他の省庁から私共にRPA導入に関する照会や相談が多数寄せられており、霞ヶ関でもRPAの導入に関心が高まっているように感じます。今回、金融庁がRPAの導入に至った経緯と今後の課題についてお話する機会を頂戴したので、ご参考にして頂ければ有難く思います。

 

RPA導入の経緯

金融庁は、銀行や証券会社といった金融機関等の検査・監督業務を行っています。こうした検査・監督業務の大きな特徴は、監督対象先である金融機関等から、財務やリスク管理に関するデータを多種かつ大量に提出して頂き、金融機関等との対話に必要なデータ分析を行う、という点にあります。私が所属している情報・分析室は、金融システムや個別金融機関等の財務・リスクを把握するための基礎となる情報を収集し、分析する業務を担当しています。

このような情報の収集・分析に関する業務では、①金融機関等から提出頂いたデータに誤りがないか、というデータの正確性を高める作業(データクレンジング)を行い、②庁内の情報系システムや外部機関が保有しているデータから各種図表を定期的に更新し、③更新された図表から金融経済動向を分析して関係部署に展開しています。

私共では、以前から、担当職員が図表作成等の単純作業に時間を費やす一方、深度ある分析業務に時間を確保できているのか、という問題意識がありました。データ分析業務は、図表を作成することが目的でなく、図表から得られるデータの意味を多面的に考察する必要があります。このデータ分析業務の時間を確保することで、金融機関等との対話における納得性の高い材料を用意できると考えています。また、金融庁を取巻く環境が日々変化する中、新たな課題に的確に対応するためには、業務の高度化・効率化が必須と考えていました。

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