1.はじめに
国連の経済社会局(Department of Economic and Social Affairs)による電子政府調査の最新版が2018年7月19日に発表された(※1)。2001年から始まった本調査も、今回でちょうど10回目となった(※2)。
国連の報告書がリリースされる度に、この連載において、その概略を紹介してきたが、今回も日本を中心として取り上げてみたい。まず、最新の電子政府ランキングを確認しよう(表1参照)。
2018年のランキングにおいて、1位はデンマークであり、前回の9位から大幅にランクアップした。続く順位は、それぞれオーストラリア(2位)、韓国(3位)となっており、前回の2016年から変動はなかった。一方、英国は1位から4位へと順位を下げたが、トップ10に関しては、ほぼいつも通りの顔ぶれといっていいだろう。
(※1)United Nations, Economic and Social Affairs, E-Government Survey 2018: Gearing E- Government to Support Transformation Towards Sustainable and Resilient Societies, United Nations, 2018.
(※2)国連による電子政府の調査(ベンチマーキング)は2001年から始まったが、現在も使用されている指標(EGDI: E-Government Development Index)による測定は、2003年の調査以降である。
(出典)United Nations, Economic and Social Affairs, E-Government Survey 2018: Gearing E-Government to Support Transformation Towards Sustainable and Resilient Societies, United Nations, 2018, p. 89. なお、前回の順位から上がった場合は△、下がった場合は▼、同じ場合は○と国名の左側に記してある。また、193カ国におけるEGDIの平均値は、0.55であり、前回(2016年)の平均値0.49から若干、上昇している。
表1 国連の電子政府調査(2018年)