1.はじめに
文化庁では、平成29年度に、「文化財の観光活用に向けたVR等の制作・運用ガイドライン」として、VRやAR等のIT技術を利用した文化財の公開活用等に関するサービスについて、必ずしもそれらには詳しくはない自治体等の方が、これらサービスの制作等を実施する際に留意すべき事項を整理したガイドラインを作成しました。
現在、多くの自治体で、市民が地域への意識向上を図る取り組みとともに、「魅力ある地域づくり」を積極的に行っており、その中で、訪日外国人を含む国内外から多くの観光客を、地域へ招き入れるような観光振興に注目が集まっています。
観光振興の一つとして、地域に所在する文化財の積極的な活用が挙げられますが、その活用の手法として、近年、発展を遂げているIT(Information Technology:情報技術)の活用が挙げられます。そして、その中でも、文化財の活用にマッチしたITとして、VR(Virtual Reality:仮想現実)やAR(Augmented Reality:拡張現実)等への注目度が上がっています。