1.これまでのIT戦略の成果
我が国のIT戦略は、平成13年に高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部(以下「IT総合戦略本部」という。)が設置されて以降、高度情報通信ネットワーク社会形成基本法(平成12年法律第144号。)に基づく重点計画として策定されてきた。
内閣官房に内閣情報通信政策監(以下「政府CIO」という。)が法的に位置付けられた平成25年には、世界最高水準のIT利活用社会の実現に向けて「世界最先端IT国家創造宣言」(平成25年6月14日閣議決定)を策定し、府省庁の縦割りを打破して「横串」を通すことにより、多様な政策課題に取り組み、着実な成果を積み重ねてきている。
その例を挙げると、政府CIO制度創設以降の政府情報システムの運用コスト3割削減をはじめ、府省共通の人事給与システムの本格稼働、語彙・コード・文字等の行政データ標準の確立など、府省庁の壁を越えた取組を推進してきた。加えて、自治体クラウドの導入推進や農地情報公開システムの全国一元化、オープンデータの推進など、地方公共団体まで含めた施策が活発化しつつあり、シェアリングエコノミーの促進、自動運転実現に向けた取組など、民間への展開も含め、10年来成し得なかった改革が一歩ずつ実現されてきた。