1.サービスデザインの時代
行政をとりまく社会環境の複雑化や、めざましいICTの進展などを背景に、多様化・個別化された課題やニーズに対応していくための利用者中心の行政サービス改革が求められている。この課題に対して、実践のためのアプローチとして「サービスデザイン」に対しての期待が高まっている。
平成29年5月に日本国政府のIT戦略本部で決定された「デジタル・ガバメント推進方針」でも、「サービスデザイン思考に基づく業務改革(BPR)の推進」が方針の1つとして挙げられ、平成30年1月に発表された「デジタル・ガバメント実行計画」では、利用者中心の行政サービス改革を推進するための方針として「サービス設計12箇条」が策定された。また、同計画に基づき、サービスデザイン思考の意義、手法、事例などのガイドが公開されるなど、日本において政府・行政機関へのサービスデザインの本格的な導入が進められようとしており、また関心も高まっている。