1.ICTにいち早く着目し世界の現場に新しい価値を提供
建設・鉱山機械業界において、連結売上高で世界第2位のグローバル企業となったコマツの歴史は1世紀近く前に遡ります。コマツは1921年に石川県小松市の小松鉄工所を出身母体として誕生しました。「海外への雄飛」、「品質第一」、「技術革新」、「人材育成」という創業の精神のもと、1943年に初の国産化に成功したブルドーザーをはじめ油圧ショベル、ダンプトラックなど幅広い機種を自社で開発・生産を行う総合建設・鉱山機械メーカーとして事業を展開しています。
コマツの成長の礎を築いたのはブルドーザー事業でした。戦後の復興需要や高度成長期の土木事業拡大のニーズに応える中で、「ブルドーザーのコマツ」と呼ばれるようになり日本の都市基盤整備に重要な役割を担ってきました。1955年に海外進出を開始して以来、海外で需要の高い大型ブルドーザーの信頼性と品質の向上を図るなどして輸出の拡大を図り、現在、売上比率の80%を海外市場が占めています。
世界の“GEMBA(現場)”にこれまでなかった新しい価値を提供することが、コマツの成長戦略の核となる考え方です。イノベーションを起こすために、コマツはICTの重要性にいち早く着目し研究・開発に取り組んできました。IoT(Internet of Things)という言葉が広く知られるようになる遥か以前の1999年に、GPS(Global Positioning System、全地球測位システム)による位置情報や車両情報などを収集し常時監視、遠隔制御する機械稼働管理システム「コムトラックス」を開発。2001年より標準装備化を実現し現在では50万台以上の建機の稼働状況を可視化しています。