1.はじめに
現在、政府では、証拠に基づく政策立案(EBPM、Evidence-Based Policy Making)の浸透・定着に向けて、取組が進められています。EBPMとは、「政策オプションの中から政策決定し、選択する際に、現在最も有益なエビデンスの誠意ある明確な活用を行うこと」(OECD、2007)とされています。
「エビデンス」という言葉は、様々な意味で用いられていると思いますが、家子・小林他(2016)に基づけば、「エビデンス」は、「現状把握のためのエビデンス」と「政策効果把握のためのエビデンス」の2種類に大別されます。前者は、社会的課題の規模や現状の施策の状況等を指し、例えば、GDP成長率、失業者数、企業の生産性等のいわゆるデータが該当します。後者は、科学的・客観的な分析に基づく、政策の有効性を示す情報を指します。