1.急激な人口減少社会への突入
第二次ベビーブーム(1971-1974年)以降の出生率の低下により、我が国の人口は2004年を境に減少に転じ、ついに急激な「人口減少社会」に突入した。よく目にする人口推移のグラフ(1950年頃から2060年頃まで)では、我が国の人口はなだらかな増加傾向からなだらかな減少傾向へと転じたように見える。
しかしもっと長いスパン(例えば1000年単位)で見てみると、明治維新以降の急激な人口増加から急激な人口減少へ、我が国は歴史的な転換点にいることがわかる。ジェットコースターの頂点に上り詰め、急速に落下するまさにその瞬間にいる。
ここで問題になるのが、我が国の社会制度や社会インフラなど、現在の社会を支えているものの多くが、人口急増社会に作られたものであり、人口激減社会には対応していない点である。