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2017.12.08

『行政&情報システム』2017年12月号連載企画 社会価値デザインとIT No.9 CSVによるソーシャルイノベーションの実現

慶應義塾大学SDM研究科附属SDM研究所
研究員 早田 吉伸

1.はじめに
社会課題を解決し社会価値を創造する存在として企業の役割が注目されている。社会課題解決の担い手としての企業への期待が高まるとともに、企業自身も新たな市場開発のために社会課題を起点としたイノベーションを創出する動きを加速させている。こうした動きの背景の一つして指摘されるものがCSV(Creating Shared Value:共有価値の創造)という概念の登場である。今回は、グローバル企業を中心にと取り組みが顕在化しているCSVへの取り組みに着目し、ソーシャルイノベーションを実現するために必要な要件について述べてみたい。