1.はじめに
デンマークは、人口570万人の欧州北部の小国
である。自然資源が限られる当国では、産業育成を念頭に、人材を資源とみなし人材育成に力を入れている。教育には膨大な予算が割かれ、義務教育・中等教育は無料、高等教育（大学レベル）の学生には返還不要の奨学金が提供され、博士課程学生は給与が支払われる。さらに、生涯教育を支える成人学級や技能教育の枠組みも提供されており、子供から大人まであらゆる人が、スキルの向上や興味関心を追求できる、一生涯勉強し続けられる環境が整えられてきた。そればかりでは不足していると考えたのか、近年は、国内ばかりでなく国外のリソースにも目を向け、国家戦略として海外から優秀な人材の招聘を行い、教育や研究の基盤を整えている。
