デジタル庁と一般社団法人行政情報システム研究所の共催で「勉強会」が2024年2月2日(金)に東京ガーデンテラス 紀尾井カンファレンスで開催されました。
テーマ:デンマーク流DXの強さを学ぶ(Societal Innovation by design)
講演者:クリスチャン・ベイソン※(Christian Bason)博士
デンマークが誇るデザイン分野での第一人者であるクリスチャン・ベイソン博士、令和6年になり1回目の勉強会にふさわしい豪華なイベントとなり、活発な議論が行われた。
ベイソン博士の講演では、ビジネス(企業や国)の競争力と成功を実現するためだけではなく、社会としての競争力と成功を実現するための秘訣について、デンマークの事例を交えて説明がされました。例えば、デンマークのオーステッド社は、知的財産を競合企業に無償で提供することにより、多くの企業が新規事業としてグリーンや再生可能エネルギーの分野で大幅にスピードアップして取り組まれるようになった。そうしてグリーンや再生可能エネルギー市場の拡大に結び付いた。知的財産を無償で提供することが、オーステッド社にとりましても利益につながった。ポンプと水関連技術の世界的リーダー企業でネットゼロに注力しているグルンドフォス社では、グローバルサウスを含む3億人の人々にクリーンな飲料水を提供するという戦略を掲げています。重視するのは利益の多寡ではなく、どれだけ人々に貢献できるかを同社の戦略の中核としている。ベイソン博士は、「創造性を高め、未来を見据えた新しいビジョンは、美や機能性を備えた人間中心のデザインで実現できる」と講演を結んでいた。
※ デンマークデザインセンター元CEO。1998-2006年までRambøll Managementにてコンサルタント、ビジネスマネージャーを務めたのち、2007-2014年にデンマーク政府のイノベーションチーム「MindLab」の初代CEOを務めた。World Economic Forumの「Future on Agile Governance Council」のボードメンバーやEUのパブリックセクターイノベーションの専門家組織の長を務めた。「Leading public design」など著書多数
講演するベイソン博士
今回、協賛企業を募るにあたりイベント趣旨にご賛同いただくことはもちろん、「エンジニア組織」である企業様をパートナーに選ばせていただきました。協賛企業として参加してくださったGDX株式会社様(https://gdx.inc/)はエンジニアとしての専門性を持つ方が社員の7割を超えており、新しいITベンチャーの1つの形を体現されています。
【講演映像】<約20分>
木村 典嗣(きむら のりつぐ)
一般社団法人行政情報システム研究所 主席研究員 博士(工学) 米国PMI認定PMP
国内ITベンダーで、衛星リモートセンシングの画像解析、地球環境データなどのビックデータ解析、防災情報システムの研究に従事。(一財)河川情報センターでは、洪水予報等作成システムの開発支援などに従事。(一財)道路交通情報通信システムセンターでは、道路交通情報提供システムの開発業務やドライバー向け災害情報についての研究に従事。2023年7月から現職。